第1回
Jリートは税制面で有利
REIT(リート)とは不動産投資信託を意味する英語「Real Estate Investment Trust」の頭文字をとった言葉で、日本ではJapanの「J」をつけて「J‐REIT」と呼んでいます。新聞や雑誌などでは、Jリートや不動産投信などと書かれることもあります。本コラムでは「Jリート」を使用します。
Jリートとは、「投資信託及び投資法人に関する法律」(以下、投信法)が規定する投資信託のうち、運用資産の大部分が不動産と不動産関連資産である投資信託です。投信法が定める制度には、投資信託制度(契約型投信)と投資法人制度(会社型投信)がありますが、2023年6月現在、現存するJリートは全て投資法人制度に基づいています。「○○投資法人」という呼称は一般企業の「○○株式会社」と同様に、法人格を表すものです。
投資法人制度に基づくJリートには、数人の役員(執行役員と監督役員)がいるだけで、従業員はいません。資産の運用や保管、その他の一般事務などは外部の専門家に委託することが義務付けられています。
また、Jリートは賃貸用不動産を取得・保有し、賃貸収入を得るという単一の事業を行う非常にシンプルな会社であるとともに、利益のほとんどを投資家に分配するファンド(会社型投資信託)でもあるわけです。
決算期には、配当可能利益の90%超を分配するなどの要件を満たすことで、法人税がほとんどかからない恩典が認められています。このため、投資家は同等の事業を営む株式会社へ投資する場合と比べ、Jリート投資からより多くの分配金を受け取ることができます。