第6回
銘柄選びは開示情報から
今回は銘柄選びのポイントを紹介します。Jリートは
(1)不動産賃貸事業から得られた収益を分配する投資信託
(2)証券取引所に上場している不動産投資会社
という2つの側面を持っています。
個別銘柄を選ぶ際には、上記の投資信託的側面と株式的側面の両面から情報を集めていくことが有益でしょう。
まずは、前者の面から、分配の原資となる保有不動産がどのようなものかを見ていきます。用途や地域、物件の規模・立地、物件の稼働状況(空室率)等が参考になります。
次に、Jリートは新しい不動産を組み入れたり借り入れを行ったりしますが、運用方針や体制についての確認も必要です。不動産賃貸業は誰がやっても同じというわけではなく、不動産の運用ノウハウや方針が、将来の資産価値や賃貸収益を左右するからです。
また、将来の予測や分析は難しいものですが、過去の実績は参考になります。Jリートの情報開示は、多岐にわたり非常に充実しています。決算期ごとに開示される財務情報や運用報告書を基に、株式投資と同等の分析が可能であることに加え、個別不動産や負債に関する詳細情報など、Jリート特有の開示情報から、より詳細な分析を行うことも可能です。
体制面では、運用成果に影響を与えるJリートのスポンサー(Jリートの運用会社の大株主)について調べることも重要です。不動産証券化協会が開催する個人投資家向けのイベントに参加したり、オンラインセミナーを視聴するなどして、運用会社の話を直接聞く機会を持つことも有益でしょう。