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初めてのJリート

第5回

用途や所在地を把握する

 今回はJリート対象不動産の用途や所在エリアについて説明します。2023年6月末時点の統計によると、Jリートの保有不動産は、取得価格ベースで22兆円を超え、用途別では、オフィスが39.3%、商業施設が15.5%、住宅が14.3%、物流施設が20.5%、ホテルが7.5%、 ヘルスケア施設が1.5%の比率となっています。

 各Jリートは、運用方針で定められた不動産に投資します。投資する不動産の用途によってJリートを分類することができます。オフィスや住宅など単一の用途の不動産に投資する特化型や複数の用途の不動産に投資する総合型などに分類されます。Jリートの分配金の原資となる賃料は、用途によって特徴が異なりますので、その特徴を把握しておくことも重要です。
 例えば、大都市などのオフィスでは立地や設備の優れた建物であれば比較的安定した賃料収入が期待しやすい一方、賃料単価と空室率は景気変動や企業の業績などの影響(景気拡大期には賃料が増収、下降期は減収)を受けやすくなります。

投資対象不動産の用途によるJリートの分類

 居住目的の住宅は、景気変動に伴う家賃の急激な上昇や下落は生じにくく、1物件当たりのテナント数(入居者数)も多いため、個々のテナントの入退去による影響が軽微です。このため、住宅の賃料収入は比較的安定しています。
 また、賃料収入は、その物件の所在エリアにも影響を受けます。経済や人口基盤が強い東京・大阪・名古屋などの大都市圏か、その中でもオフィスニーズが高いエリアか、住宅ニーズが高いエリアかなどといった物件の所在地が、賃料の動向に影響してきます。
 Jリート各銘柄の投資判断に当たっては用途や所在エリアに応じた不動産の特徴を把握しつつ、保有物件の一覧(ポートフォリオ)や投資方針が各Jリートのホームページなどで詳細に開示されていますので、個々のJリートが、どのような用途の不動産をどのようなエリアに保有しているかを確認することが有益だといえます。