第4回
分配金は高め
Jリートへ投資した場合、株式投資と同様、決算期ごとに配当される分配金(インカム)とJリート価格(投資口価格、株価と同義)の値上がり・値下がり(キャピタル)が投資のリターンとなります。
Jリートの分配金は、株式会社の配当に相当するものですが、不動産賃貸から生じる賃貸収益から運用報酬や金融費用などの運営経費を差し引いた税引き前利益を原資としているところに特徴があります。法人税を差し引いた税引き後利益から配当する株式会社と異なり、Jリートは法人税がほとんどかからない仕組みであるため、インカムリターン(分配金利回り)は高めになる傾向にあります。また、賃貸収益が安定した複数の不動産に分散投資しているため、Jリートの分配金の変動は比較的小さくなります。
Jリートは不動産投資商品でありながら、上場商品として取引所で日々売買され、換金性・流動性が確保されている特徴がある反面、市場の需給を反映し、投資家のキャピタルリターンは常に変動します。
Jリート銘柄全体の価格動向を示す東証REIT指数は、リーマン・ショック前後など時期によっては大きな変動が生じています。上場株式では株価が投資リターンを左右する要因の一つであるように、Jリートについても価格の動向を注視しておく必要があります。ただし、Jリートでは分配金の割合が高く安定的なことから、インカム収益も踏まえた投資成果に着目することが重要です。
例えば、配当なしの指数で比較した場合には東証REIT指数とTOPIXにそれほど大きな差はありませんが、配当込みの指数で比較した場合には東証REIT指数はTOPIXを上回る傾向にあります。インカム収益は、Jリートの投資収益に大きく貢献しているといえます。